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南光寺(笠懸不動)

(なんこうじ かさがけ ふどう)

みどり市に息づく祈りの古刹

南光寺は、群馬県みどり市笠懸町阿左美に位置する高野山真言宗の寺院で、通称「笠懸不動」として広く親しまれています。正式には日輪山 観音院 南光寺と号し、関東八十八ヵ所霊場第七番霊場、さらに北関東三十六不動尊霊場第八番札所として、多くの巡礼者や参拝者が訪れる由緒あるお寺です。

住宅街の中にありながら、境内にはしだれ桜や大きな銀杏の木が茂り、四季折々の自然に包まれた静かな空間が広がります。樹木に集う野鳥のさえずりが響き、地域をやさしく見守り続けてきた寺院として、地元の人々に深く親しまれています。

創建と南光比丘尼の伝承

南光寺の創建は鎌倉時代にさかのぼると伝えられています。寺伝によれば、弘法大師・空海がこの地を巡錫した際、僧・行基作と伝わる白衣観音菩薩を本尊として開創されたといわれています。

建武2年(1335年)7月22日、後醍醐天皇の皇子であった大塔宮護良親王が非業の死を遂げました。その後、親王に仕えていた南の御方が当地に入り、南光比丘尼として出家し、親王の菩提を弔うため生涯を捧げたと伝えられています。弘和2年(1382年)に入寂するまで祈り続けたその姿は、今も寺の歴史の中に語り継がれています。

江戸時代の隆盛と格式

慶長年間(1596~1615年)に僧・永真によって中興され、慶安2年(1649年)、第四世良榮の代に徳川三代将軍家光公より御朱印地二十一石四斗を賜りました。これにより高野山龍光院の末中本寺という高い格式を得て、現在地に伽藍が整備されました。

寺宝としては、徳川歴代将軍の御朱印状九通をはじめ、数多くの仏像や石仏が大切に守られています。

御本尊と諸仏

南光寺の御本尊は、胎蔵界の大日如来です。真言は「のうまくさまんだぼだあなんあびらうんけん」と唱えられ、御詠歌には曼荼羅に輝く日輪の如来の慈悲が詠まれています。

本堂内には、不動明王、薬師如来、阿弥陀如来、金剛界大日如来、真言六観音、愛染明王などが安置され、訪れる人々のさまざまな願いに応えています。

また、元禄期に村の人々が厄除け・疫病退散を祈願して寄進した笠懸疣取地蔵尊や、安政期の六地蔵尊も祀られており、地域信仰の厚さがうかがえます。

寺宝の数々

歴史的価値の高いこれらの寺宝は、南光寺が歩んできた長い年月を物語っています。

年中行事と祈りの場

南光寺では一年を通して多彩な仏教行事が営まれています。元旦護摩や厄除護摩をはじめ、毎月21日の弘法大師縁日、毎月28日の不動明王縁日など、参拝者が絶えません。

春秋の彼岸会、花まつり、青葉まつり、盂蘭盆会供養、成道会、除夜の鐘など、四季の移ろいとともに祈りの時間が重ねられています。とくに護摩祈祷は笠懸不動としての信仰を今に伝える重要な行事です。

自然に包まれた境内の魅力

境内は豊かな緑に囲まれ、春にはしだれ桜が美しく咲き誇ります。秋には銀杏が黄金色に染まり、訪れる人の目を楽しませます。静寂の中に鳥の声が響き、心安らぐひとときを過ごすことができます。

アクセス

電車をご利用の場合

東武桐生線「阿佐美駅」下車、徒歩約5分とアクセスも良好です。

歴史と祈りが息づく観光名所

南光寺は、鎌倉時代から続く歴史と、南光比丘尼の祈りの物語を今に伝える貴重な寺院です。巡礼の札所としてはもちろん、静かな時間を過ごしたい方、歴史や仏教文化に触れたい方にもおすすめの観光スポットです。みどり市を訪れた際には、ぜひ笠懸不動・南光寺に足を運び、悠久の祈りに触れてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
南光寺(笠懸不動)
(なんこうじ かさがけ ふどう)

桐生・赤城

群馬県