赤城山は、標高1,828メートルの黒檜山(くろびさん)を主峰とし、駒ケ岳、地蔵岳、荒山、鍋割山、鈴ヶ岳、長七郎山から成る複合火山です。日本百名山、関東百名山、上毛三山にも選ばれる名山として、多くの登山者や観光客に愛されています。
赤城山には初心者から中級者まで楽しめる多彩な登山コースが用意されており、四季折々の美しい自然を楽しむことができる人気の観光スポットです。山頂付近の大沼湖畔ではキャンプ(予約制)やボート、ワカサギ釣りなどのアクティビティが楽しめます。
赤城山には、周囲約500メートルに広がる湿原「覚満淵(かくまんぶち)」があります。この湿原は「小尾瀬」とも呼ばれ、木道が整備されており、高山植物を観察しながら散策が楽しめます。覚満淵の美しい風景と豊かな自然は、訪れる人々の心を癒します。
赤城山は都会の喧騒から離れ、大自然を満喫することができる場所です。風と緑、花々に囲まれた美しい景色は、訪れる人々の心に深く刻まれます。山の南麓を横断する国道353号線は「あかぎ風ライン」として知られ、馬事公苑、ぐんまフラワーパーク、釣り堀、温泉などの観光スポットが点在しています。
さらに、山頂から「あかぎ風ライン」までの県道沿いには、多くのそば店が立ち並び、「そば街道」としても親しまれています。
赤城山は、雪山の入門登山としても人気の高いエリアです。ルートや天候によってはチェーンスパイクやアイゼンの使用が必要となる場合もあります。また、車でアクセスする場合は冬用タイヤの装着が必須です。訪れる際は、これらの点に十分注意してください。積雪時期の目安は12月中旬から4月末までですが、年によって異なることがあります。
赤城山は榛名山、妙義山とともに上毛三山に数えられる名山で、日本百名山や日本百景にも選ばれています。赤城山の地形は、中央に広がるカルデラを取り囲む1,200メートルから1,800メートルの山々が特徴で、その周囲には約800メートルまで続く広い高原台地が広がっています。この高原台地は、富士山に次いで日本で2番目に広いものとされています。
「赤城山」は単一の火山体を指す名称であり、同じ名前の峰は存在しません。
カルデラの中心には、大沼というカルデラ湖や湿原「覚満淵」が広がり、火口湖の小沼も存在します。大沼の東岸には赤城神社があり、その周囲には多くの末社が点在しています。また、関東地域には約300の赤城神社の末社が分布しており、地域の信仰の対象となっています。
赤城山は古くは「クロホ」と呼ばれていました。奈良時代に編纂された『万葉集』には、「加美都家野久路保乃禰呂乃久受葉我多」という歌があり、「くろほのねろ」という表現が赤城山を指すとされています。この名前は、黒い雷雲が立ち上る山の姿を描写したものです。
「アカギ」という名前は、平安時代の『続日本後紀』に初めて記録されています。承和6年(西暦839年)に「赤城神」に神階が授けられたと記されています。その後の文献にも「赤城神」の名前が見られ、鎌倉時代には『金槐和歌集』や『吾妻鏡』にも登場します。
日光市の男体山の北西麓にある戦場ヶ原には、男体山の神と赤城山の神が戦ったという伝説があります。この戦いで男体山の神が勝利し、赤城山の神は敗北しました。この伝説に由来して、赤城山の北に位置する老神温泉の名前が生まれました。
赤城山といえば、上州の侠客・国定忠治の名前も有名です。彼を題材にした講談や新国劇は、明治から昭和初期にかけて大いに人気を博しました。国定忠治のセリフ「赤城の山も今宵限り」は、この山の名前を全国に広める一因となりました。
赤城山では、複数の山頂に登るための登山コースがいくつか用意されています。
大沼湖畔からの2つの登山口を通り、尾根を辿って駒ヶ岳山頂および黒檜山に到達できます。黒檜山頂手前で大沼からの道と駒ヶ岳への分岐があります。黒檜山への道は約1時間半、駒ヶ岳から大沼までの所要時間はそれぞれ1時間弱です。
大沼の西に位置する白樺牧場の駐車場から鍬柄山を経由し、約1時間で鈴ヶ岳山頂に到達できます。山頂は行き止まりで、同じ道を戻ることになります。
鍋割山・荒山コース、長七郎山・小地蔵コースなども選択肢としてあります。これらのコースは、登山初心者から中級者まで楽しめるように設計されています。
赤城山の山頂に広がる火口原湖で、赤城山最大のカルデラ湖です。この湖は利根川水系に属し、美しい景色で多くの人々を魅了しています。湖畔には赤城神社があり、地域の信仰の対象となっています。
冬季にはワカサギ釣りやスキー、スケートなどのレジャーアクティビティが楽しめるスポットとしても知られています。
覚満淵は赤城山の山頂近くに位置し、「小さな尾瀬」とも称される湿原です。覚満川を通じて大沼へと水が流れ出し、湿原に変わったものとされています。
覚満淵は高山植物やコケ植物の豊かな群生地として知られ、四季折々の自然が楽しめます。木道が整備されており、徒歩約30分で一周することができます。
JR前橋駅北口バスターミナル6番乗り場から関越交通バスで赤城山ビジターセンターバス停まで約70分
平 日)「富士見温泉行き」 →<富士見温泉>乗換「赤城山ビジターセンター行き」
土日祝)「赤城山ビジターセンター行き」赤城山直通バス
<関越自動車道>
赤城ICから山頂エリア大沼まで約40分(約25㎞)
前橋ICから山頂エリア大沼まで約60分(約31㎞)
<北関東自動車道>
伊勢崎ICから山頂エリア大沼まで約60分(約38㎞)