高崎市は小麦の生産に適した気象条件となっており、昔から小麦粉が盛んに産出されている土地である。(※小麦に適した気候とは、晴れて空気が乾燥している日が多いことであり、特に群馬では「上州空っ風(からっかぜ)」という、赤城山から吹き降ろす風が名物でもある。) こうした背景があり、群馬・高崎には「おっきりこみ」やうどんなどの小麦食文化が根付いていた。
さらに群馬県は全国屈指のパスタ消費量があり、小麦食文化から関連した新たな食の名物として、「高崎パスタ」が生まれたとされている。
市内にはパスタ専門店が数多く存在し、高崎市が公募した「たかさきパスタ探検隊」の隊員がそれぞれがおすすめの店40数軒を紹介したマップも作成されている。
また、こうした小麦文化をきっかけに高崎の食文化の発展、地域活性化に資することを目的とした、「キングオブパスタ」というイベントが2009年から毎年開催されている。このイベントは、参加各店舗のパスタを食べた来場者が投票を行う形式を取っており、「パスタのまち高崎」ならではの町を挙げた取組となっている。
高崎市に訪れた際には、自分の好みの「高崎パスタ」を探してほしい。
シャンゴ
群馬県の高崎市は、人口あたりのパスタ店が多く、そのため“パスタのまち”とも称されています。その中でも、1968年に創業した老舗イタリアンレストラン「シャンゴ」は、高崎市でパスタ文化を広めた草分け的存在と言えるでしょう。
高崎市は、日照時間が長く、水はけの良い土壌があり、農作物の生産に適した環境です。また、小麦の生産でも全国4位に位置するなど、小麦の産地としても有名です。この地域で「パスタのまち」の名を持つのも納得です。市内には40~50軒のイタリアンレストランがあり、その中でシャンゴは高崎市を代表する存在として、50年以上にわたり愛されています。
「シャンゴ」は1968年に創業し、スパゲッティーとカレーのお店としてスタートしました。最初は請地町に開店しましたが、のちに場所を変えて問屋町に移転しました。その後も高崎市、前橋市、伊勢崎市などに8つの店舗を展開し、2018年には創業50周年を迎えました。群馬県民にとってはおなじみの名店であり、地域にとどまらず広く愛されています。
特製「シャンゴ風」パスタ
シャンゴのパスタは、S・Mサイズの2つのオプションから選ぶことができます。それに加えて、たくさん食べたい人のためにL・LLサイズも用意されています。
オリジナルのシャンゴ風パスタは、パスタの上には揚げたてのロースカツがのっており、更にミートソースがかかっています。
シャンゴはもともとスパゲッティーとカレーの専門店で、この「シャンゴ風」は外観はカツカレーに似ていますが、一口食べると自家製の太麺とミートソースが絶妙に絡み合い、絶妙な組み合わせを楽しめます。
粗めにひいた国産ひき肉はミートソースと絶妙に絡んでおり、肉の一片を食べているような食感が楽しめます。ミートソースは濃厚なデミグラスソースで、豊かな風味と甘さが感じられます。
長時間かけて煮込まれたソースの特別な、一般的なトマト系のミートソースとは異なる、中毒性のある美味しさを持っています。
薄く衣をまとったカツは、群馬の名産品である上州麦豚を使用。衣はサクサクで、肉は柔らかいので簡単に食べられます。
スープパスタ
スープパスタは、シャンゴの創始者が考案したメニューで、シャンゴから発祥したものとも言われています。
イタリアの地名にインスパイアされた「カラブリア風」は、魚介系のトマトソースベースのピリ辛スープパスタです。
このピリ辛の味わいは、隠し味に豆板醤が使用されているから。まるでイタリア風の火鍋パスタのような印象です。