華蔵寺公園は、群馬県伊勢崎市華蔵寺町および堤西町にまたがる広大な都市公園であり、地元住民や観光客に親しまれています。公園は、歴史ある天台宗の寺院「華蔵寺」に隣接し、その名を冠しています。この公園は、広場、遊園地、各種運動施設(野球場、体育館、陸上競技場、競泳場、市民プール)など、さまざまな施設を擁しており、四季折々の自然やイベントが楽しめる場となっています。
華蔵寺公園は、1893年(明治26年)に着工され、1911年(明治44年)に完成しました。当初は「伊勢崎公園」としてスタートしましたが、現在では「華蔵寺公園」として伊勢崎市が管理しています。公園の敷地面積は約26.6ヘクタールに及び、桜やつつじの名所としても知られています。春には桜の花が咲き誇り、訪れる人々を魅了します。また、ツツジの花も見事であり、開花時期には多くの人々が訪れます。
華蔵寺は天台宗の寺院で、正式には「丘林山浄土院華蔵寺」と称します。寺伝によれば、872年(貞観14年)に円珍(智証大師)によって建立されたとされています。寺の前庭には樹齢約400年の「華蔵寺のキンモクセイ」があり、1937年には国の天然記念物に指定されました。しかし、台風の被害により、現在の姿は指定時のものとは異なっています。
華蔵寺公園には、家族連れに人気の遊園地があります。この遊園地は入場料が無料で、各アトラクションごとに利用料を支払うシステムです。利用料は非常に手頃で、安いものは50円、高いものでも350円と全国的にも低価格であることが特徴です。
この遊園地のシンボルとも言えるのが、全高70メートルの大観覧車「ひまわり」です。北関東最大の観覧車であり、市内のほぼ全域からその姿を見ることができます。一周約12分かかり、乗ることで伊勢崎市全体の景色を楽しむことができます。
1990年に新設されたこのジェットコースターは、日本初の水上ジェットコースターとして華蔵寺沼に設置されました。最高速度は75kmで、スリル満点のアトラクションです。
メリーゴーラウンドや急流すべり「スペース・ストリーム」、スカイファイター、豆汽車など、子どもから大人まで楽しめる多彩なアトラクションが揃っています。また、2023年1月1日よりネーミングライツ事業により、株式会社Aizawa Corporationが命名権を獲得し、現在は「Auto Mirai 華蔵寺遊園地」として知られています。
華蔵寺公園には、さまざまな運動施設も整備されています。
伊勢崎市陸上競技場は、日本陸上競技連盟の第3種公認競技場で、敷地面積は39,000平方メートル、収容人員は5,000人です。トライアルin伊勢崎ナイターや伊勢崎シティマラソンのスタート・ゴール地点として使用されており、市内の学校の運動会でも利用されています。
公園内には、野球場やテニスコートもあり、各種大会や地域イベントに利用されています。
公園内には「華蔵寺沼」と呼ばれる美しい沼があり、その周囲には水生植物園が広がっています。特にハナショウブの名所として有名で、見ごろの季節には多くの見物客が訪れます。
毎年4月には「花まつり」が開催され、遊園地の営業時間が21時まで延長されます。また、8月下旬には「いせさき花火大会」が開催され、その際にも営業時間が延長されます。これらのイベントは、公園を訪れる人々にとって特別な思い出となることでしょう。
華蔵寺公園へのアクセスは非常に便利です。JR両毛線および東武伊勢崎線の伊勢崎駅から徒歩20分の距離にあり、公共交通機関を利用する場合は伊勢崎市コミュニティバス「あおぞら」を利用することもできます。自動車では、北関東自動車道伊勢崎インターチェンジから前橋方面へ10分、または波志江スマートインターから5分の距離に位置しています。
華蔵寺公園遊園地内には、かつて東北や九州を走っていた蒸気機関車「C61 20号機」が静態保存で展示されていましたが、2010年にJR東日本が復元を決定し、大宮総合車両センターへの移送が行われました。現在、展示跡地にはC61 20号機以外のレールや周囲の設備が残されています。
華蔵寺公園は、歴史ある寺院と広大な自然、そして多彩なアトラクションやイベントが楽しめる場所として、多くの人々に愛されています。家族連れやカップル、友人同士で訪れるのに最適なスポットであり、訪れるたびに新しい発見があることでしょう。ぜひ一度、華蔵寺公園を訪れて、その魅力を堪能してみてください。