赤城神社は、群馬県前橋市三夜沢町に鎮座する歴史ある神社で、式内社(名神大社)論社、上野国二宮論社に数えられます。旧社格は県社で、正式名称は「赤城神社」ですが、他の赤城神社と区別するため「三夜沢赤城神社」とも呼ばれています。関東地方を中心に全国約300社存在する赤城神社の中で、当社は本宮と推測される重要な神社の一つです。
赤城神社は、赤城山南麓に広がる豊かな自然の中に位置し、国道353号線から参道の松並木を北上すると、杉に囲まれた荘厳な神社が姿を現します。境内は自然に包まれ、静謐な雰囲気が漂うパワースポットとして知られ、特に年末年始や祭事の際には多くの参拝者で賑わいます。
境内には、樹齢1000年を超えるとされる大杉「たわらスギ」が立ち、平将門討伐で知られる藤原秀郷による寄進と伝えられています。この杉は県指定天然記念物であり、その堂々とした姿は訪れる人々に神聖な印象を与えます。また、神社には西暦1556年に建立された「惣門」や神明造の「本殿」、極彩色に彩られた「本殿 内宮殿」など、多くの県指定重要文化財も存在します。
赤城神社は群馬県中部、赤城山南側の山腹に鎮座しています。明治時代以前は東西2宮に分かれていましたが、明治以降は1宮として統合されました。参道は三方向に分かれ、南は大胡方面、東は苗ヶ島方面、西は市ノ関方面につながっています。大胡方面に続く道には江戸時代に植えられた松並木が現存し、現在でも参拝者の目を楽しませています。
社殿は本殿と中門が県指定重要文化財に指定されており、本殿南へ約500メートル下った参道沿いには「惣門」があり、こちらも県指定重要文化財です。拝殿と中門の間、中門正面には群馬県指定天然記念物である「たわら杉」が立っています。また、明治3年(1870年)に建てられた「神代文字の碑」もあり、復古神道の遺物として市指定重要文化財に指定されています。
赤城神社の創建は不詳ですが、上代に豊城入彦命が上毛野国を支配する際に大己貴命を奉じたことに始まるとされています。当社から約1.3km登った場所には「櫃石(ひついし)」と呼ばれる磐座が残り、古代祭祀の様子を伝えています。
平安時代には『続日本後紀』に従五位下の神階奉授が記され、『日本三代実録』では正五位下・正五位上などの昇叙が確認されます。長元9年(1028年)頃には正一位に叙せられ、上野国二宮として中世に至ります。ただし、文献上の「赤城神」が三夜沢赤城神社を指すかどうかには議論があります。
14世紀の説話集『神道集』では、赤城山火口湖の小沼・大沼、中央火口丘の地蔵岳が神格化され、小沼神は虚空蔵菩薩、大沼神は千手観音、地蔵岳は地蔵菩薩とされています。戦国時代の書状では「三夜沢」が冠され、赤城神の本社として認知されていきました。
慶長17年(1612年)、大前田村の住人が参道に松並木を寄進しました。宝暦12年(1762年)には東宮が正一位に、明和2年(1765年)には西宮が正一位に叙されました。寛政12年(1800年)には、大洞赤城神社との名称争いがありましたが、文化13年(1816年)に和議が成立しています。
明治2年(1869年)の廃仏毀釈により、東宮の竜赤寺と西宮の神光寺は廃寺となり、三夜沢赤城神社は東西2宮から1宮へ統合されました。明治初年に正式に1宮となり、現社殿が東宮跡に建設されました。拝殿は明治27年(1894年)に焼失後再建されました。近代社格制度では郷社から県社に昇格し、国幣中社への昇格運動は行われましたが、戦後社格制度廃止により県社のままとなりました。
本殿は正面三間・側面二間、切妻造平入の神明造で銅板葺、千木は内削ぎ、鰹木8本をあげています。本殿内の宮殿は高さ117cmの木造宝形造で、新田金山城主・由良成繁による奉納とされています。禅宗様の意匠を用いた室町時代の特徴を示す建築として、群馬県の有形文化財に指定されています。
中門は本殿前に立つ四脚門で、切妻造銅板葺。本殿とともに明治2年の造営と伝えられ、県指定文化財です。拝殿は神社参拝の中心施設で、祭事や神楽の舞台としても使用されます。
神楽殿では、毎年1月1日・1月5日・5月5日に市の重要無形民俗文化財である太々神楽が奉納されます。岩戸神楽系統で、貞享元年(1684年)に京都から伝来したとされ、現在では14座が舞われ、伝統を守る保存会によって後世に伝えられています。
所在地:群馬県前橋市三夜沢町114番地
交通アクセス:上毛電気鉄道上毛線 大胡駅から、前橋市ふるさとバス(デマンドバス)で「赤城神社」バス停下車、徒歩すぐ。
周辺観光:赤城南面千本桜(約3.5kmの桜並木)、松並木とヤマツツジの参道、赤城山登山ルートなど。
赤城神社は、歴史、文化財、自然の魅力を併せ持つ群馬県を代表する神社です。参道の松並木を散策し、たわら杉や神代文字碑、櫃石などの歴史遺跡を訪れながら、太々神楽の奉納や季節の祭事に触れることで、地域文化と自然の豊かさを深く体感できます。