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桐生自動車博物館

(きりゅう じどうしゃ はくぶつかん)

往年の名車と織物の歴史が息づく

桐生自動車博物館は、群馬県桐生市広沢町にある自動車専門の博物館です。織物の町として発展してきた桐生の歴史ある街並みの一角に位置し、往年の名車と伝統的な建築が融合した、他にはない魅力を持つ観光スポットとなっています。自動車ファンはもちろん、昭和の時代に思い出を持つ方や、レトロな建築に興味のある方にもおすすめの場所です。

初代クラウンを中心とした貴重なコレクション

この博物館は、2003年(平成15年)に前原勝良氏が長年にわたり収集してきた愛蔵のコレクションを公開するために開設した私設博物館です。館内では、昭和30年代から40年代にかけて製造されたトヨタ車を中心に展示が行われています。なかでも大きな見どころとなっているのが、トヨタの初代クラウン、いわゆる「観音開きクラウン」です。

日本の高度経済成長期を象徴する存在ともいえるクラウンは、国産乗用車の歴史を語るうえで欠かせない名車です。さらに、アメリカ大陸で約40年にわたり走り続けた後、日本へ帰ってきた2代目クラウンも展示されており、その歩んできた長い道のりに思いを馳せることができます。

そのほかにも、スプリンターカリブやランドクルーザーといった四輪駆動車など、多彩な車種が並びます。いずれも時代を彩った車両ばかりで、間近で眺めることで当時の技術力やデザインの魅力を実感することができるでしょう。

建物自体も文化財 ― のこぎり屋根工場の再生

桐生自動車博物館のもうひとつの大きな魅力は、展示空間となっている建物そのものにあります。博物館は、旧飯塚織物の鋸屋根(のこぎりやね)工場を活用しており、外壁は大谷石造りという重厚な造りです。この建物は約80年前に織物工場として建設され、2005年には「MAEHARA20th(旧合名会社飯塚織物工場)」の名称で国の登録有形文化財に登録されました。

桐生は古くから織物産業で栄えた町で、現在でも200棟以上の「のこぎり屋根」の工場建築が残されています。のこぎり屋根は、北側から安定した自然光を取り入れるための工夫で、織物生産に適した構造として発展しました。こうした伝統ある産業遺産の中に、昭和の名車が並ぶ光景は、桐生ならではの文化的なコラボレーションといえるでしょう。

油彩画ギャラリーと落ち着いた空間

館内には自動車展示スペースに加え、油彩画を展示するギャラリーも併設されています。クラシックカーの重厚な存在感と、芸術作品が醸し出す静かな雰囲気が調和し、落ち着いた時間を過ごすことができます。単なる自動車展示施設にとどまらず、文化や芸術を感じられる空間として整えられている点も、この博物館の特色です。

桐生観光とあわせて楽しむ

博物館の周辺には、歴史ある神社や伝統的建造物も点在しており、桐生の街歩きとあわせて訪れるのもおすすめです。織物の町としての面影を感じながら、近代産業の発展を支えた自動車文化に触れることで、桐生という地域の多面的な魅力をより深く理解することができるでしょう。

桐生自動車博物館は、往年の名車と産業遺産が調和する特別な場所です。時代を超えて大切に受け継がれてきた車両と建物に囲まれながら、昭和の記憶や日本のものづくりの歩みに思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。桐生観光のひとつの見どころとして、心に残るひとときを提供してくれることでしょう。

Information

名称
桐生自動車博物館
(きりゅう じどうしゃ はくぶつかん)

桐生・赤城

群馬県