群馬県 > 桐生・赤城 > 駅の天然温泉 水沼の湯
群馬県桐生市黒保根町、水と緑に囲まれた静かな山あいに位置する水沼駅。その上りホームに併設されているのが、「駅の天然温泉 水沼の湯」です。列車を降りた瞬間、目の前に立ちのぼる湯けむりと森の香り。駅徒歩0分という全国でも珍しい立地にあり、鉄道の旅情と温泉のやすらぎを同時に味わうことができる特別な場所です。
「駅からは近く、心は遠くへ。」という言葉の通り、日常の喧騒からほんのひととき離れ、自然の恵みに身をゆだねる時間がここにはあります。わたらせ渓谷の豊かな自然とともに、心身を解きほぐす癒しの空間が広がっています。
水沼の湯の泉質は、ナトリウム・カルシウム塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉。やわらかな肌あたりが特徴で、湯に浸かると身体の芯からじんわりと温まります。
神経痛や五十肩、うちみ、慢性消化器病、冷え性、高血圧、筋関節硬化、リウマチ、きりきず、疲労回復、うつ状態、皮膚乾燥症など、さまざまな効能が期待されており、心身のリフレッシュに最適です。自然が長い年月をかけて育んだ恵みの湯に包まれるひとときは、何よりの贅沢といえるでしょう。
大浴場の内風呂は、壁や床を木目調でまとめた落ち着いた空間です。湯けむりに包まれながら、やわらかな湯に身をゆだねると、日々の疲れがゆっくりとほどけていきます。駅のホームに隣接しているとは思えないほど、静かで穏やかな時間が流れています。
外風呂からは、渡良瀬川の流れと山々の景色を望むことができます。春の芽吹き、夏の深緑、秋の紅葉、冬の澄んだ空気。四季折々の自然を眺めながら湯に浸かる体験は、ここならではの魅力です。
国産ヒノキ材を用いたサウナ室では、やさしい木の香りに包まれながらじっくりと身体を温めることができます。しっかりと発汗した後は、天然地下水100%の水風呂へ。澄んだ水が身体を引き締め、深い爽快感へと導きます。温泉とサウナの組み合わせによる“ととのい”体験は、多くの利用者から高い評価を得ています。
大浴場外風呂の約4倍もの広さを誇る大露天風呂では、荒神山の稜線を望みながら、より開放的な湯浴みを楽しめます。山の気配と一体になるような静寂が、身体の奥まで染みわたります。
湯上がりには、館内着着用専用エリア「木もれび庵」でゆったりと休憩できます。畳敷きの和室やリクライニングベッドが備えられ、木のデッキでは風の音や鳥のさえずりを感じながら過ごせます。軽食や飲み物を味わいながら、時間を忘れてくつろぐひとときは格別です。
館内の食事処「里山本陣」では、群馬県産食材を中心にした料理を提供しています。黒毛和牛のすき焼御膳は、やわらかな肉の旨みと赤城山麓で育まれた新鮮な卵が調和する贅沢な一品です。
また、群馬名物のおっきりこみうどんは、もちもちとしたひもかわうどんにたっぷりの野菜を合わせた郷土料理。身体の芯から温まる素朴な味わいが魅力です。
釜めしも人気で、赤城鶏と山菜の五目釜めし、群馬県産豚の角煮釜めし、鮭といくらの釜めしなど、多彩なラインナップが揃います。ふっくら炊き上げたご飯に具材の旨みが染み込み、至福の味わいを楽しめます。食事のみの利用も可能で、鉄道利用者が気軽に立ち寄れる点も大きな魅力です。
温泉施設を中心に広がる「水沼ヴィレッジ」は、温泉・サウナ・宿泊・グルメを兼ね備えた複合リゾートです。広大な敷地内には全天候型BBQ施設やカフェテラス、十割蕎麦店などがあり、自然の中で多彩な食体験を楽しめます。
アウトドアサウナをテーマとした「サウナの森」では、雄大な自然に囲まれながら本格的なサウナ体験が可能です。わたらせ渓谷鐵道を愛する地域の文化と歴史を背景に、黒保根の自然を存分に味わえる空間が広がっています。
水沼駅は、わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線の駅として、渓谷観光の拠点となっています。普通乗車券を所持している場合には途中下車が可能で、列車の待ち時間に温泉へ立ち寄るという楽しみ方もできます。
ホームに降り立てばすぐに温泉入口という立地は、全国的にも希少な存在です。鉄道の旅と温泉、そして里山の味覚がひとつに結びついた水沼の湯は、訪れる人に忘れがたい思い出をもたらしてくれるでしょう。
水沼駅の温泉施設は、1989年に「せせらぎの湯」として誕生しました。その後、地域に親しまれながら営業を続けてきましたが、2008年に一度休館となります。しかし、地元関係者の尽力により2009年に営業を再開。再び多くの利用者を迎え入れてきました。
ところが2023年、再び休館という局面を迎えます。そこで再建に名乗りを挙げたのが、桐生市出身企業であり「築地銀だこ」などを展開する株式会社ホットランドホールディングスの子会社でした。大規模な改修とコンセプトの刷新を経て、2025年、「駅の天然温泉 水沼の湯」として新たに生まれ変わりました。
単なる温泉施設の復活にとどまらず、周辺で展開される「水沼ヴィレッジ」の中核施設として再出発。地元の魅力を発信する拠点として、地域とともに歩む存在となっています。
渓谷を走る列車の音、川のせせらぎ、森を渡る風。水沼の湯は、こうした自然の要素と調和しながら存在しています。日帰りでも、ゆったりとした滞在でも、訪れる人それぞれの過ごし方が叶う場所です。
電車を降りた瞬間から始まる非日常のひととき。天然温泉と本格サウナ、そして里山の味覚を堪能できる「駅の天然温泉 水沼の湯」で、心ほどける時間を体験してみてはいかがでしょうか。