☰
✕

群馬県 > 桐生・赤城 > わたらせ渓谷鐵道

わたらせ渓谷鐵道

(けいこく てつどう)

渓谷美を眺めながら走る、懐かしさあふれるローカル線

わたらせ渓谷鐵道は、群馬県桐生市から栃木県日光市足尾地域までを結ぶ第三セクター方式の鉄道事業者です。旧国鉄・JR東日本の足尾線を引き継ぎ、現在はわたらせ渓谷線として運行しています。

路線は桐生駅から間藤駅までの約44.1kmを結び、渡良瀬川に沿って山あいを走ります。車窓には美しい渓谷や森林、季節ごとの自然が広がり、地域住民の生活を支える交通機関であると同時に、沿線観光を楽しめるローカル線としても親しまれています。

「わ鐵」の愛称で親しまれる鉄道

わたらせ渓谷鐵道は、地元や鉄道ファンの間では「わ鐵(わてつ)」の愛称で親しまれています。

沿線では、列車に乗ることそのものを旅の目的として楽しむ人も多く、渓谷を縫うように走る列車と、昔ながらの駅舎や鉄道施設がつくり出す風景も大きな魅力です。

旧足尾線を受け継いだ歴史

第三セクター鉄道としての出発

わたらせ渓谷鐵道の歴史は、旧国鉄足尾線の第三セクター化から始まります。1988年(昭和63年)3月、足尾線を第三セクター方式の鉄道へ転換することが決定され、同年10月25日にわたらせ渓谷鐵道株式会社が設立されました。

翌1989年(平成元年)3月29日には、東日本旅客鉄道(JR東日本)から足尾線を引き継ぎ、現在のわたらせ渓谷線として営業を開始しました。

こうして地域に根付いた鉄道路線は、沿線住民の重要な交通手段として運行を続ける一方、豊かな自然を活かした観光路線としても発展していきました。

沿線観光の充実

1990年代には、沿線地域と連携した観光振興が進められました。1992年(平成4年)には下新田駅が開業し、1996年(平成8年)には神戸駅構内に列車を利用したレストラン「清流」がオープンしました。

さらに1998年(平成10年)には、観光用のトロッコ列車「トロッコわたらせ渓谷号」の運行が始まり、沿線の自然をより身近に楽しめる鉄道として注目を集めるようになりました。

2000年代以降の取り組み

2000年代に入ってからも、鉄道と地域観光を結びつけるさまざまな取り組みが行われています。

水沼駅では駅に併設された温泉施設が営業し、鉄道と温泉を組み合わせた観光スポットとして親しまれています。また、2010年(平成22年)にはイメージキャラクター「わ鐵のわっしー」が登場し、2012年(平成24年)にはトロッコ型車両を使用した「トロッコわっしー号」の運行も始まりました。

桐生から間藤までを結ぶわたらせ渓谷線

わたらせ渓谷線は、群馬県の桐生駅を起点として、渡良瀬川上流の間藤駅までを結ぶ全長約44.1kmの路線です。

市街地を離れるにつれて車窓の風景は次第に山あいへと変わり、渡良瀬川の流れや深い森林、岩肌の見える渓谷など、沿線ならではの景観を楽しめます。

列車の速度も比較的ゆったりとしているため、車窓を眺めながらのんびりと旅を楽しみたい方にも向いています。

地域に支えられる駅

わたらせ渓谷線には、沿線住民とのつながりを感じられる駅もあります。一部の駅では、地元住民から選ばれたボランティアの「ふるさと駅長」が活動し、駅の清掃や案内などを通して地域と鉄道を結ぶ役割を担ってきました。

こうした取り組みは、地域の人々が鉄道を身近な存在として支えていることを感じさせる、わたらせ渓谷鐵道ならではの特徴です。

車窓から楽しむ四季の渓谷風景

わたらせ渓谷鐵道の大きな魅力は、列車の車窓から四季折々の自然を楽しめることです。

春には新緑や花々、夏には深い緑に包まれた山々、秋には山肌を彩る紅葉、冬には静かな山里の風景が広がります。特に渡良瀬川に沿って走る区間では、川と渓谷、森林が一体となった美しい景色を楽しめます。

季節によって表情を変える沿線風景は、列車に乗るたびに異なる魅力を見せてくれます。

人気のトロッコ列車

トロッコわたらせ渓谷号

「トロッコわたらせ渓谷号」は、わたらせ渓谷鐵道を代表する観光列車の一つです。開放感のあるトロッコ車両から、沿線の自然をより身近に感じながら旅を楽しめます。

通常の列車とは異なり、風や季節の空気を感じながら渓谷を進むことができるため、観光列車ならではの特別な時間を過ごせます。

トロッコわっしー号

「トロッコわっしー号」は、2012年(平成24年)から運行されているトロッコ型の観光列車です。わたらせ渓谷鐵道のイメージキャラクター「わ鐵のわっしー」にちなんだ名称が付けられています。

列車に揺られながら渓谷や森林を眺める時間は、わたらせ渓谷鐵道の旅を象徴する楽しみの一つです。

神戸駅の列車レストラン「清流」

沿線にある神戸駅では、鉄道車両を活用したレストラン「清流」が営業しています。駅に停車した列車の車内で食事を楽しめるため、鉄道旅行ならではのユニークな体験ができます。

列車に乗るだけでなく、駅そのものを観光の目的地として楽しめるのも、わたらせ渓谷鐵道の魅力です。

水沼駅で楽しむ温泉

水沼駅には温泉施設が併設されており、鉄道と温泉を組み合わせた観光を楽しめます。

列車を降りてすぐに温泉を楽しめるという珍しい立地で、渓谷を巡る旅の途中に立ち寄る場所としても利用されています。鉄道と地域の観光資源を結びつけた、わたらせ渓谷鐵道らしい駅の一つです。

個性豊かな車両

わたらせ渓谷鐵道では、一般の気動車に加えて、トロッコ列車など観光に適した車両も運行されています。車両のデザインにも特徴があり、落ち着いたあかがね色を基調とした車体は、沿線の山や渓谷の風景によく似合います。

気動車

通常の旅客列車には複数のタイプの気動車が使用されており、車両によって座席配置や設備などが異なります。

トロッコ型車両として使用されるWKT-550形などもあり、観光列車として沿線の景色を楽しめるよう工夫されています。

トロッコ列車の客車

「トロッコわたらせ渓谷号」では、既存の客車を改造した車両などが使用されています。車両ごとに「かわせみ」「やませみ」などの愛称が付けられ、親しみやすい存在となっています。

ディーゼル機関車

トロッコ列車の一部はDE10形ディーゼル機関車が牽引します。なかには、あかがね色に金帯を配した特徴的な塗装の機関車もあり、鉄道ファンからも注目されています。

印象的な「あかがね色」の車体デザイン

わたらせ渓谷鐵道の車両は、落ち着いたあかがね色を基調としたカラーリングが特徴です。沿線の自然や足尾銅山の歴史を思わせる色合いで、山間を走る列車の姿にもよく調和しています。

車体のカラーリングだけでなく、ヘッドマークや動物を描いた銘板、会社のロゴや社章などにもデザイン上の工夫が施されています。

地域の歴史と観光をつなぐ鉄道

わたらせ渓谷鐵道は、単なる移動手段ではありません。渡良瀬川流域の山間地域を走りながら、沿線の自然や歴史、地域文化を訪ねる旅へとつなげてくれる存在です。

沿線には足尾銅山の歴史を伝える地域や、渓谷、温泉、古い駅舎などさまざまな見どころがあり、途中下車をしながら楽しむことで、より深く地域の魅力に触れることができます。

映画やドラマにも登場する沿線風景

わたらせ渓谷鐵道とその周辺は、映画やテレビドラマの舞台としても登場しています。映画『僕達急行 A列車で行こう』や『天使の恋』、テレビドラマ『相棒』シリーズなどでも、沿線の自然や鉄道風景が取り上げられています。

山あいを走るローカル線ならではの風景は映像作品との相性もよく、作品をきっかけに沿線を訪れる人もいます。

のんびりと列車旅を楽しみたい人におすすめの観光ルート

わたらせ渓谷鐵道は、目的地へ急ぐのではなく、列車に乗る時間そのものを楽しめるローカル線です。

渡良瀬川の流れや山々を眺めながら列車に揺られ、途中の駅で下車して温泉や食事、地域の観光スポットを楽しむことで、ゆったりとした旅を満喫できます。

春の新緑、夏の深い緑、秋の紅葉、冬の静かな山里など、季節によって異なる景色を楽しめるのも魅力です。群馬県東部から栃木県足尾地域を訪れる際には、移動手段としてだけでなく、渓谷を走る観光列車そのものを目的にした鉄道旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

Information

名称
わたらせ渓谷鐵道
(けいこく てつどう)

桐生・赤城

群馬県