群馬県 > 高崎・前橋 > 愛宕神社(伊勢崎市)

愛宕神社(伊勢崎市)

(あたご じんじゃ)

火の神を祀る波志江町の鎮守

愛宕神社は、群馬県伊勢崎市波志江町に鎮座する由緒ある神社です。火難除けや防災の神として信仰される火産霊神(ほむすびのかみ)を主祭神とし、地域の人々の暮らしと深く結びつきながら、長い年月にわたり大切に守り継がれてきました。社格は旧村社で、現在も波志江地区の精神的な拠り所として親しまれています。

創建と歴史のあゆみ

愛宕神社の創建年代は明らかではありませんが、文治3年(1187年)、源頼朝の家臣であった佐位治官がこの地に城を築いた際、社殿を修理したという伝承が残されています。このことから、少なくとも鎌倉時代にはすでに地域の信仰の中心として存在していたと考えられます。

明治時代に入ると、1877年(明治10年)に村社に列格し、地域神社としての位置付けが明確になりました。さらに1908年(明治41年)には、境内末社や波志江地区に点在していた無格社17社が合祀され、現在の祭祀形態が整えられました。

もともと神社は愛宕山古墳の上に鎮座していましたが、1913年(大正2年)に現在地である金蔵寺の隣へと遷宮されました。その後、1915年(大正4年)には神饌幣帛料供進社に指定され、格式ある神社としての地位を確立しています。

祀られている神々

愛宕神社の主祭神は火産霊命で、火災除けや家内安全、産業の守護神として信仰されています。さらに境内には多くの神々が配祀されており、大国主命、建速素戔嗚命、菅原道真命、大山祇命など、国土経営や学問、自然、雷、食物に関わる神々が一堂に祀られています。これにより、生活全般にわたる幅広いご利益があるとされています。

波志江祇園祭りと年間行事

愛宕神社を代表する祭礼が、毎年秋に行われる波志江祇園祭りです。愛宕神社の秋祭りでありながら「祇園祭り」と呼ばれる理由は定かではありませんが、地域では古くからこの名で親しまれてきました。

特に大祭の年に行われる「大灯籠(オオドウロウ)」では、波志江町内の各地区から豪華な屋台が10基奉納され、町全体が祭りの熱気に包まれます。通常年の「数灯籠」は秋祭りとして行われ、時代とともに祭日も変化しながら、現在まで大切に受け継がれています。また、春には4月3日に春祭りが執り行われ、五穀豊穣と地域の安寧が祈願されます。

貴重な文化財の数々

境内には、伊勢崎市指定重要文化財である波志江愛宕神社の宝塔が保存されています。これは南北朝時代中期(14世紀半ば)に造営された石造宝塔で、「赤城塔」と呼ばれる赤城山南麓特有の形式を持つ貴重な遺構です。法華経の世界観を象徴する仏塔であり、歴史的・宗教的価値の高い文化財です。

また、波志江祇園祭りで使用される屋台10基は、幕末期のものを含むとして伊勢崎市指定重要有形民俗文化財に指定されており、地域の祭礼文化を今に伝えています。

四季を感じる境内の風景

愛宕神社の境内にはソメイヨシノが植えられており、3月下旬から4月上旬にかけては桜が美しく咲き誇ります。県道沿いにありながら、境内に一歩足を踏み入れると落ち着いた空気に包まれ、四季折々の自然とともに参拝を楽しむことができます。

交通アクセスと参拝案内

伊勢崎駅南口から伊勢崎市コミュニティバス「あおぞら」を利用し、「波志江駐在所」バス停で下車すると、徒歩すぐの場所にあります。車の場合は、北関東自動車道伊勢崎インターチェンジから約5.5kmとアクセスも良好です。

愛宕神社は、歴史・祭り・文化財・自然が調和した伊勢崎市波志江町を代表する神社です。観光の際には、地域の歴史に思いを馳せながら、静かに参拝してみてはいかがでしょうか。

Information

名称
愛宕神社(伊勢崎市)
(あたご じんじゃ)

高崎・前橋

群馬県