群馬県 > 高崎・前橋 > 慈眼寺(高崎市)

慈眼寺(高崎市)

(じげんじ)

しだれ桜と千年の歴史を今に伝える古刹

慈眼寺は、群馬県高崎市下滝町にある高野山真言宗の寺院で、正式名称を華敷山 補陀落院 慈眼寺と称します。本尊は聖観音菩薩で、古くから「しだれ桜の寺」として広く知られています。なお、高崎市内には高崎白衣大観音で名高い慈眼院がありますが、そちらとは別の寺院です。

天平年間創建の由緒ある寺院

慈眼寺の創建は天平年間(729~749)、奈良東大寺の初代別当であった良弁僧正によるものと伝えられています。さらに、平安時代には弘法大師空海も当地を訪れ、護摩を修したとされ、その名残を今に伝えています。長い歴史の中で一時衰退の時期もありましたが、南北朝時代の文和元年(1352)、筑紫出身の僧・乗弘大徳によって中興されました。

足利尊氏の帰依を受けた乗弘大徳は、戦乱で亡くなった人々の菩提を弔うため堂宇を整備し、慈眼寺は西上州における真言宗の中心的寺院として発展しました。江戸時代には僧侶の学問研鑽の場である「常法談所」となり、地域仏教の要として重要な役割を担いました。

境内を彩る名木「しだれ桜」

慈眼寺を語るうえで欠かせないのが、約650年以上にわたり咲き続けるしだれ桜です。中興開山の乗弘大徳が、本尊聖観音の慈悲を人々に伝えたいとの願いを込めて植えたと伝えられています。春になると、優雅に枝を垂らした桜が境内を華やかに染め上げ、その姿は古風な「さび」と気品を感じさせます。

また境内には芭蕉の句碑「木の下は 汁もなますも さくらかな」が建てられており、古くから花の名所として多くの人々に親しまれてきたことがうかがえます。

文化財と寺宝

境内には群馬県指定史跡である江原源左衛門重久の墓があり、地域の歴史を今に伝えています。また、高崎市指定重要文化財として、密教法具である五鈷鈴・五鈷杵・金剛盤が伝えられています。さらに「東長大事」一巻も市指定重要文化財に指定されており、真言密教の貴重な教えを伝える資料として高い価値を有しています。

現在の慈眼寺と見どころ

現在の境内には、本堂、観音堂、大師堂、鐘楼、大門などが整い、歴史と信仰の重みを感じさせます。鐘楼の梵鐘は、地域の人々に親しまれ、朝昼晩と時を告げる音を響かせています。春の桜の季節はもちろん、静かな境内を歩けば、四季折々の自然とともに心穏やかなひとときを過ごすことができます。

アクセス

所在地は群馬県高崎市下滝町19。高崎玉村スマートインターチェンジより車で約5分とアクセスも良好です。長い歴史と美しいしだれ桜を有する慈眼寺は、高崎観光の際にぜひ訪れたい名刹です。

Information

名称
慈眼寺(高崎市)
(じげんじ)

高崎・前橋

群馬県