群馬県

焼きまんじゅう

(やき)

江戸時代より親しまれてきた!?群馬県民のソウルフード

小麦粉で作るまんじゅうを串にさし、みそだれをぬって火にかけ焦げ目をつけてつくられたまんじゅう。米麦の二毛作が盛んな群馬県には、小麦粉を使った料理がたくさんある。県内の「焼きまんじゅう屋」で供されているが、最近は味の種類が増え、餡入りの焼きまんじゅうなども見受けられるようになった。

【歴史・由来】
発祥は諸説あるが150年以上の歴史があり養蚕業や絹織物業が盛んな群馬県で繊維関係の商工業者間の交流で広まったとされている。初市や花見、夏祭りなどの行事で必ずといっていいほど屋台にならぶ。

【食べるシーン】
日常食として年間を通して専門店等で販売されている。また、夏祭りなどのイベント時に屋台で食べられる。屋台には行列が出来ることも。

【提供店】
焼きまんじゅうを提供する店舗は、群馬県内に広く存在するが、特に中部地域(伊勢崎市など)に多い。

【豆知識】
伊勢崎市で行われる、直径約50cmのまんじゅうを焼く「上州焼き饅祭(まんさい)」は冬の風物詩になっている。

焼きまんじゅうは、群馬県地方の郷土食です。

この料理は、小麦粉に麹を混ぜて発酵させてから蒸し、竹串に刺し、黒砂糖や水飴で甘くした濃厚な味噌ダレを裏表に塗って火にかけ、焦げ目をつけたものです。軽食として愛されており、焼きたては柔らかく食べやすいですが、冷めると水分が抜けて固くなることがあります。そのため、焼きたてのままで冷め切らない状態が特に評価されており、お土産としても焼く前のまんじゅうと別にタレを添えて販売されています。

まんじゅうの中には、餡子を入れないもの(素まんじゅう、中国のマントウのようなもの)が一般的ですが、一部では小豆餡入りのものも存在します。

歴史

焼きまんじゅうの起源は19世紀中期の幕末に遡ります。前橋市が発祥と言われていますが、伊勢崎市や沼田市の店も元祖を主張し、それぞれ独自の起源を持っているとされています。焼きまんじゅうは、元々酒の副産物として家庭でも作られていたものであり、商売のために特定の人が発明したわけではありません。前橋市の老舗焼きまんじゅう店の当主である原嶋熊蔵は、自身の書籍で、1857年に前橋で売り出されたのが創始だと記しています。

群馬県南部では、古くから冬の麦作りが盛んで、小麦粉を使用した料理やまんじゅうが好まれていました。この地域の商工業者間の交流によって、埼玉県の秩父市や長瀞町、栃木県の足利市にも広まったと考えられています。また、繭や絹織物の生産地域と重なることから、繊維関連の商工業者の影響もあったとされています。

2022年には、焼きまんじゅうが文化庁の認定事業である「100年フード」の伝統の部門で認定を受けています。

Information

名称
焼きまんじゅう
(やき)