碓氷峠の森公園交流館「峠の湯」は、群馬県安中市松井田町坂本に位置する日帰り温泉施設です。めがね橋をはじめとする碓氷峠の鉄道遺産や、坂本宿、碓氷湖など、歴史と自然に恵まれた観光エリアの中心にあり、観光とあわせて立ち寄ることができる憩いの場として親しまれています。
峠の湯は、碓氷峠のふもとに広がる緑豊かな環境の中にあり、周辺には旧信越本線の廃線跡を活用した「アプトの道」や、国指定重要文化財であるめがね橋など見どころが点在しています。施設裏手の「とうげのゆ駅」からは、碓氷峠鉄道文化むらへ向かうトロッコ列車「シェルパくん」も運行しており、観光の拠点として多くの方に利用されています。
建物は2001年(平成13年)に開業し、鉄筋コンクリート造を基調に一部木造を取り入れた温もりある設計です。エントランスにはめがね橋をイメージしたレンガ調のデザインが採用され、碓氷峠の歴史を感じさせる外観となっています。
峠の湯で使用されている源泉は「東軽井沢温泉ゆたかの湯」。無色透明でやわらかな肌触りが特徴の弱アルカリ性(ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉)です。関節リウマチや変形性関節症、冷え性などさまざまな症状に対する効能が期待されており、湯上がり後は体の芯から温まる心地よさを感じられます。
石造りの浴槽とヒノキ材を多用した壁面が落ち着いた雰囲気を演出する和風大浴場です。室内風呂、露天風呂、水風呂、高温サウナ、エアーレスジェットバスを備えています。露天風呂は室内より広く設計されており、東側には裏妙義の自然景観を望むことができます。静かな山々を眺めながら浸かる湯は、格別のひとときをもたらします。
洋風大浴場は石造りのモダンな空間で、円形の露天風呂や壺風呂が設けられています。こちらも高温サウナと水風呂を完備し、霧積山方面の景色を一望できます。和風大浴場とは対照的に、室内浴槽の方が広く設計されているのが特徴です。
なお、和風・洋風の大浴場は1週間ごとに男女が入れ替わるため、訪れるたびに異なる雰囲気を楽しむことができます。
貸切制の家族風呂「刎石(はねいし)」と「龍駒(りゅうこま)」も用意されています。「刎石」はタイル張りの浴室と洋室の休憩室を備え、「龍駒」は木造りの浴室と畳敷きの和室休憩室が特徴です。事前予約制ですが、当日空きがあれば利用可能です。ご家族や少人数で、周囲を気にせずゆっくりと温泉を楽しみたい方に最適です。
1階にはレストランや売店があり、入浴しない方でも利用できるフリーゾーンとなっています。西棟1階のカフェ「アプトの道」は、明治から昭和初期のアプト式鉄道をイメージしたレトロモダンな空間で、パスタやカレーなどの洋食メニューを提供しています。
2階には売店「峠の茶屋」や広々とした休憩スペース「やすらぎの場」「くつろぎの場」があり、畳敷きの空間でゆったりと過ごすことができます。館内(入浴エリアを除く)では無料Wi-Fiも利用可能で、観光の合間の休憩や情報収集にも便利です。
峠の湯の向かいには「とうげのゆ駅」があり、碓氷峠鉄道文化むらのトロッコ列車「シェルパくん」が発着します。旧信越本線の線路を活用した路線で、単式ホーム1面1線の小さな駅ながら、鉄道ファンや家族連れに人気です。発車時刻に合わせて改札が行われ、ホームには待合スペースも設けられています。
急勾配区間を走る姿は、かつての碓氷峠越えの鉄道を思い起こさせるもので、温泉と鉄道観光を同時に楽しめるのがこの施設ならではの魅力です。
2013年には火災により長期休業を余儀なくされましたが、2015年12月に再開。現在では中央棟1階は入館料不要で利用できるなど、より多くの方が気軽に立ち寄れる施設へと生まれ変わりました。
碓氷峠の森公園交流館「峠の湯」は、温泉で心身を癒し、鉄道遺産に触れ、豊かな自然を満喫できる総合的な観光拠点です。碓氷峠を訪れた際には、ぜひ立ち寄り、歴史と自然に包まれた穏やかなひとときをお楽しみください。