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四万温泉街

(しま おんせんがい)

四万の病を癒やす霊泉の里

群馬県吾妻郡中之条町に広がる四万温泉街は、三国山脈に源を発する清流・四万川に沿って、南北およそ4キロメートルにわたり形成された歴史ある温泉郷です。草津・伊香保と並び「上毛三名湯」に数えられ、古くから「四万(よんまん)の病を癒やす霊泉」として親しまれてきました。1954年(昭和29年)には、優れた自然環境と保養効果が認められ、国民保養温泉地第1号に指定された名湯でもあります。

山あいに広がる五つの地区

四万温泉街は、上流から順に日向見(ひなたみ)ゆずりは新湯(あらゆ)山口温泉口の五地区で構成されています。それぞれの地区が異なる風情を持ち、木造旅館が立ち並ぶ情緒豊かな景観や、近代的なホテル、静かな山里の佇まいなど、多彩な魅力にあふれています。

四万温泉の泉質と効能

泉質はナトリウム・カルシウム―塩化物・硫酸塩温泉(硫酸塩泉)で、低張性中性高温泉に分類されます。湯量は豊富で、源泉は43~82度と高温。自然湧出が多く、毎分約3,500リットルもの湯が湧き出ています。古くから胃腸病や神経痛、リウマチ、皮膚病などに効能があるとされ、「美人の湯」としても名高い存在です。

飲泉・足湯・共同浴場めぐり

四万温泉では飲泉も楽しめます。昔から「飲めば胃腸に良い」と伝えられ、現在も数か所に飲泉所が設けられています。また、日向見・ゆずりは・山口の各地区には公共の足湯が整備され、散策の合間に気軽に温泉の恵みを体感できます。

無料で利用できる共同浴場は「御夢想の湯」「河原の湯」「上の湯」の三か所。寸志で入浴できる素朴な湯屋は、昔ながらの湯治場の雰囲気を今に伝えています。町営の日帰り入浴施設「四万清流の湯」も人気です。

四季折々に彩られる自然美

春 ― 山菜と新緑の季節

春は渓流に河鹿の声が響き、ワラビやゼンマイなどの山菜が芽吹きます。澄んだ空と若葉のコントラストが美しく、散策にも最適です。

夏 ― 涼風と清流の癒やし

標高約700メートルに位置する四万温泉は、夏でも涼やか。ヤマメやイワナ釣り、川遊び、ハイキングなど自然体験が楽しめます。

秋 ― 渓谷を染める紅葉

10月上旬から始まる紅葉は圧巻。山々が赤や黄金色に染まり、露天風呂から眺める景色は格別です。

冬 ― 雪見風呂の静寂

雪化粧した温泉街は幻想的な雰囲気に包まれます。湯煙の向こうに広がる白銀の世界は、心身を深く癒やしてくれます。

歴史に彩られた温泉郷

開湯伝説は坂上田村麻呂や碓井貞光にまつわるものがあり、鎌倉時代にはすでに名が知られていました。戦国期には真田氏の庇護を受けて発展し、江戸時代には湯治場として栄えました。明治以降は交通整備により観光地としての地位を確立し、今もなお多くの人々を迎えています。

名所と見どころ

日向見薬師堂

茅葺き屋根が印象的な日向見薬師堂は、国の重要文化財に指定されている歴史的建造物です。慶長3年(1598年)に建立された禅宗様建築で、薬師瑠璃光如来を祀っています。

温泉街の奥まった場所にひっそりと建ち、静寂に包まれた空間は心を落ち着かせてくれます。湯治客が病気平癒を願って参拝した歴史があり、四万温泉の信仰文化を今に伝えています。

御夢想の湯

日向見地区にある御夢想の湯(ごむそうのゆ)は、四万温泉発祥の地と伝えられる由緒ある源泉です。開湯伝説の舞台とされ、現在も寸志で入浴できる共同浴場として親しまれています。

黒御影石をくり抜いた湯舟と、伝統的な湯屋造りの建物が特徴で、素朴ながらも厳かな雰囲気が漂います。四万の歴史を体感できる貴重な名所です。

四万清流の湯

山口地区にある日帰り入浴施設四万清流の湯は、広々とした内湯や露天風呂を備え、気軽に四万の名湯を楽しめる施設です。四万川のせせらぎを感じながら入浴できる露天風呂は特に人気があります。

観光の合間に立ち寄るのはもちろん、宿泊者の湯めぐりにもおすすめです。

四万川ダムと奥四万湖

四万川ダムによって生まれた奥四万湖は、透明度の高い「四万ブルー」と称される湖面が美しい景勝地です。カヌーや散策が楽しめ、紅葉の名所としても知られています。

日向見地区の奥に位置する四万川ダム奥四万湖は、四万温泉を代表する自然景勝地です。湖水は「四万ブルー」と呼ばれる神秘的な青色を湛え、訪れる人々を魅了します。

春の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々に表情を変える湖畔は散策にも最適です。静かな湖面に映る山々の姿は、心に深い安らぎを与えてくれます。

四万湖

温泉街の手前に広がる四万湖も見逃せない名所です。こちらも美しいエメラルドグリーンの湖水が特徴で、カヌー体験などのアクティビティも行われています。

湖畔を歩くだけでも自然の豊かさを実感でき、写真愛好家にも人気のスポットとなっています。

摩耶の滝・小倉の滝

温泉街周辺では、摩耶の滝小倉の滝などの滝めぐりも楽しめます。豊かな森の中を歩きながら清涼感あふれる滝に出会える散策コースは、自然愛好家に人気です。

マイナスイオンに包まれた空間で深呼吸をすれば、心身ともにリフレッシュできることでしょう。

落合通り商店街

新湯横丁広場付近から続く落合通りは、昭和レトロな雰囲気が漂う商店街です。民芸品店や昔ながらの遊技場、飲食店が軒を連ね、どこか懐かしい空気を感じることができます。

散策しながら地元名物を味わったり、お土産を探したりするのも楽しみのひとつです。温泉街ならではの素朴な人情に触れられる場所でもあります。

積善館と慶雲橋

新湯地区を象徴する存在が、元禄4年(1691年)創業の老舗旅館積善館本館です。現存する日本最古級の木造湯宿建築として知られ、群馬県の重要文化財にも指定されています。赤い欄干が印象的な慶雲橋とともに、情緒あふれる景観をつくり出しており、写真撮影スポットとしても人気を集めています。

夜間にはライトアップされ、昼間とは異なる幻想的な雰囲気を楽しむことができます。歴史とロマンを感じさせる佇まいは、四万温泉を代表する風景のひとつです。

四万たむら・四万やまぐち館

戦国時代創業の四万たむら、延宝年間創業の四万やまぐち館など、歴史ある宿も見逃せません。四万温泉の発展を支えてきた老舗のもてなしは、訪れる人々に深い安らぎを与えます。

中之条町歴史と民俗の博物館「ミュゼ」

中之条町にある歴史と民俗の博物館「ミュゼ」では、地域の歴史や文化、民俗資料をわかりやすく紹介しています。四万温泉の成り立ちや周辺地域の暮らしについて理解を深めることができ、観光とあわせて訪れることで旅の魅力がより一層広がります。

祭り・文化行事

四万温泉では、四季を通じて地域色豊かな行事が開催されます。夏の四万温泉夏まつりでは盆踊りや花火が行われ、温泉街が賑わいます。秋には紅葉を楽しむイベントや物産市も催され、地元の特産品や郷土芸能に触れることができます。

心と身体を癒やす四万温泉へ

四万温泉街は、名湯としての魅力だけでなく、歴史的建造物、神社仏閣、湖や滝などの自然景観が調和した総合的な観光地です。静かな山あいの温泉地ならではの落ち着いた雰囲気の中で、ゆったりと名所を巡る時間は、日常を忘れさせてくれる特別なひとときとなるでしょう。

ぜひ四万温泉街を訪れ、その奥深い魅力を実際に体感してみてください。

Information

名称
四万温泉街
(しま おんせんがい)

草津・四万

群馬県