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重監房資料館

(じゅうかんぼう しりょうかん)

ハンセン病問題と人権を考える学びの場

群馬県草津町にある重監房資料館は、ハンセン病問題の歴史と人権について深く学ぶことのできる施設です。かつて国立療養所栗生楽泉園の敷地内に存在した懲罰施設「重監房(特別病室)」に関する資料を収集・保存し、その調査研究の成果を広く公開しています。命の尊さを見つめ直し、差別や偏見のない社会を目指すことを目的として設立されました。

重監房(特別病室)とは

重監房とは、1938(昭和13)年から1947(昭和22)年まで設置されていた、ハンセン病患者を対象とする懲罰用の特別施設です。正式名称は「特別病室」でしたが、実際には治療を行う場所ではなく、規律違反などを理由に患者を収監するための監禁施設でした。そのため入所者の間では「重監房」と呼ばれていました。

この施設は、約4メートルの高いコンクリート塀に囲まれ、内部には8室の独居房が設けられていました。各部屋は四畳半にも満たない板張りの空間で、採光は小さな窓のみ、冬季には氷点下に達する厳しい寒さのなかで暖房も十分ではありませんでした。正式な裁判手続きもなく、療養所長の判断で収監が決定されるなど、当時の隔離政策の厳しい実態を物語っています。

資料館設立までのあゆみ

特別病室は1947年に使用禁止となり、その後建物は失われましたが、基礎部分のみが残されました。2003(平成15)年には、栗生楽泉園の入所者を中心に復元を求める署名運動が始まり、翌年には10万筆を超える署名が集まりました。その声を受け、2014(平成26)年4月に重監房資料館が開館しました。

館内では、原寸大で再現された監房の展示をはじめ、当時の資料や発掘調査による出土遺物などが公開されています。訪れる人々に、なぜ療養所にこのような懲罰施設が存在したのかという重い問いを投げかけています。

ハンセン病問題と人権

ハンセン病は慢性感染症の一つで、現在では治療法が確立され、早期治療により完治が可能な病気です。しかし、かつては誤った認識や強い偏見により、長期にわたる隔離政策が取られてきました。日本では1996(平成8)年に「らい予防法」が廃止され、1998(平成10)年の熊本地裁判決を経て、隔離政策の誤りが明確に示されました。

資料館では、こうした歴史的背景を丁寧に解説し、差別や偏見がいかに人権を侵害してきたかを学ぶ機会を提供しています。過去を正しく知ることは、同じ過ちを繰り返さないための第一歩です。

栗生楽泉園歴史館とあわせての見学

重監房資料館の隣には、栗生楽泉園の歴史を紹介する栗生楽泉園歴史館(社会交流会館)があります。こちらでは、開園以前の湯之澤集落の歴史や、園内での入所者の生活、作品展示などが紹介され、より総合的にハンセン病療養所の歴史を理解することができます。

二つの施設をあわせて見学することで、草津温泉とハンセン病療養の歴史的関係、そして入所者の方々の暮らしや思いに触れることができ、理解が一層深まります。

見学にあたってのご案内

見学は無料で、開館時間は9時30分から16時まで(最終入館15時30分)です。月曜日(祝日の場合は翌日)および年末年始は休館となります。団体(5名以上)の場合は事前予約が必要ですので、あらかじめお問い合わせください。

なお、栗生楽泉園内は通り抜けができません。歴史館と資料館の間を移動する際は、正門から国道へ戻り、迂回して移動する必要があります。見学の際は時間に余裕をもって訪れることをおすすめいたします。

命の大切さを未来へ伝える場所

重監房資料館は、単なる歴史展示施設ではありません。ここは、命の重みと人権の尊さを静かに問いかける場所です。過去の苦難に目を向け、その歴史を学ぶことは、現在を生きる私たち一人ひとりにとって大切な意味を持ちます。

草津温泉を訪れる際には、ぜひ足を運び、温泉の歴史とともにこの地に刻まれた人々の歩みにも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。深い学びと気づきを得られる貴重な観光スポットです。

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名称
重監房資料館
(じゅうかんぼう しりょうかん)

草津・四万

群馬県