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御座之湯

草津温泉の象徴に佇む再建の湯屋

群馬県吾妻郡草津町に広がる草津温泉は、日本三名泉のひとつに数えられる名湯として古くから知られています。その中心に位置する湯畑の目の前に、江戸から明治時代の共同湯を再現して建てられた日帰り温泉施設が御座之湯です。歴史と伝統、そして草津ならではの強い効能を持つ源泉を同時に体感できる、草津観光に欠かせない存在となっております。

江戸・明治の趣を今に伝える木造建築

御座之湯は、かつて湯畑周辺に存在した五つの共同湯のひとつ「御座之湯」を再建した施設です。冬住みをしていた江戸~明治期の建物様式をもとに、木造にこだわって造られました。屋根は杉板を用いたとんとん葺き、壁は漆喰仕上げとし、外観からも往時の温泉文化が感じられます。

館内に足を踏み入れると、総木造りの温もりあふれる空間が広がります。照明はやや落とされ落ち着いた雰囲気を演出しながらも、吹き抜け構造による開放感があり、明るく上品な印象を与えてくれます。まるで格式ある旅館に訪れたかのような趣を味わえるのも大きな魅力です。

源頼朝ゆかりの名を受け継ぐ湯

御座之湯の名は、源頼朝がこの地を訪れた際に腰を掛けた石があったことから「御座の石」、入浴した湯を「御座の湯」と呼んだという伝承に由来するといわれています。史実かどうかは諸説ありますが、古くから草津の湯が武将や文人に愛されてきたことを物語るエピソードのひとつです。

草津温泉は標高約1,100メートルの高地に広がり、背後には草津白根山がそびえています。火山活動によって生み出された豊富な湯は、毎分3万リットル以上という日本一の自然湧出量を誇り、古来より「恋の病以外はすべて効く」とも言い伝えられてきました。

二つの浴室と二種類の源泉を楽しむ

木之湯 ― 木の温もりに包まれる癒し

「木之湯」はその名の通り、木材にこだわった浴室です。浴槽には檜、柱にはヒバ、床にはナラ、天井には杉を使用し、香りや肌触りからも自然の恵みを感じられます。やわらかな木の質感が、強酸性の湯と調和し、心身を穏やかに包み込みます。

石之湯 ― 重厚な御影石の趣

一方の「石之湯」は、御影石を用いた重厚感あふれる造りが特徴です。落ち着いた石の質感と湯けむりが織りなす空間は、歴史の重みを感じさせる佇まいです。木之湯とは対照的な雰囲気を持ち、訪れるたびに異なる趣を楽しめます。両浴室は日替わりで男女交代制となっております。

湯畑源泉と万代源泉の違い

御座之湯の最大の特徴は、二つの浴室それぞれで湯畑源泉万代源泉という二種類の源泉を同時に楽しめる点にあります。

湯畑源泉は草津温泉の象徴ともいえる中心源泉で、pH約2.0前後の酸性硫黄泉です。強い殺菌力を持ち、湯の花の成分を豊富に含みます。木樋を通して温度を下げる伝統的な仕組みも見どころです。

万代源泉は1970年に硫黄鉱山の坑道から噴出した比較的新しい源泉で、約95度という高温が特徴です。現在は熱交換により適温に調整され、草津町内へ配湯されています。泉質は酸性塩化物硫酸塩泉で、より刺激的で力強い浴感があります。

どちらも加水せず掛け流しで提供されており、肌触りや体感温度の違いを実際に比べられるのは御座之湯ならではの醍醐味です。

泉質と効能について

草津温泉の主な泉質は酸性低張性高温泉で、pH値はおよそ2.0前後という非常に強い酸性を示します。この強い酸性により、雑菌が繁殖しにくく、高い殺菌効果が期待されます。

適応症としては、神経痛、関節痛、筋肉痛、打撲、捻挫、慢性消化器病、慢性婦人病、皮膚疾患、疲労回復、美肌効果などが挙げられています。古くから湯治場として栄え、多くの人々が療養を目的に訪れてきました。

正しい入浴法で効能を高める

入浴前の注意

飲酒後や食後すぐ、激しい運動直後の入浴は避けましょう。血圧の変動や体調不良を招く恐れがあります。また、1日の入浴は3回程度までにとどめ、無理な長湯は控えることが大切です。

入浴の手順

まずはかぶり湯を行い、体を慣らしてから半身浴を始めます。最初は5~10分程度を目安にし、無理をしないことが重要です。湯上がりには温泉成分を流しすぎないよう軽く上がり湯をし、水分補給と休憩を十分に取りましょう。

浴衣で楽しむ温泉街散策

御座之湯では外出用浴衣のレンタルも行っています。浴衣に着替え、湯けむり立ちのぼる湯畑周辺を散策すれば、江戸時代にタイムスリップしたかのような気分を味わえます。2階の45畳の大広間からは湯畑を一望でき、湯上がりのひとときをゆったりと過ごせます。

館内では「草津温泉のむヨーグルト」などの名物も楽しめ、温泉街には饅頭店や土産物店が軒を連ねています。夜には湯畑がライトアップされ、幻想的な景観が広がります。

三湯めぐりでさらに満喫

御座之湯のほか、「大滝乃湯」「西の河原露天風呂」を巡る三湯めぐり手形も人気です。三施設を1回ずつ利用でき、有効期限もないため、草津滞在をより充実させてくれます。すべて入浴すると「三湯めぐり名人」の認定証も授与され、旅の記念になります。

大滝乃湯

西の河原露天風呂と並び、草津温泉を代表する日帰り入浴施設が大滝乃湯です。ここでは草津六源泉のひとつで、「美人の湯」として知られる煮川源泉を使用しています。

草津伝統の「合わせ湯」

大滝乃湯最大の特徴は、古来より伝わる合わせ湯です。源泉を水で薄めず、浴槽を順に巡らせながら自然冷却することで適温に整えています。一番湯が最もぬるく、奥へ進むほど高温になる仕組みで、徐々に体を慣らしながら入浴するのが作法です。

男性・女性それぞれに合わせ湯が設けられており、湯気が立ち込める幻想的な空間で、草津ならではの濃厚な湯を堪能できます。

西の河原露天風呂

草津温泉の西側に広がる自然豊かな公園内に位置する名物露天風呂です。温泉街中心部の湯畑から徒歩約10~15分。湯けむり漂う石畳の道を進んだ先に、圧倒的なスケールの大露天風呂が広がります。

男女合わせて約500㎡(男湯約333.5㎡/女湯約166㎡)という日本有数の広さを誇り、一度に100名ほどがゆったりと入浴できる開放的な造りが魅力です。森林に囲まれた大きな湯船に身を沈めれば、360度に広がる高原の自然を全身で感じることができ、日常の喧騒を忘れさせてくれます。

歴史と湯治文化を体感する場所

御座之湯は単なる日帰り入浴施設ではなく、草津温泉の歴史と文化を五感で体感できる空間です。木の香り、湯の力強さ、そして湯畑を望む景色が、訪れる人の心に深い印象を残します。

悠久の歴史の中で育まれてきた草津の湯。その恵みを受け継ぐ御座之湯で、伝統ある湯治文化と名湯の真価を、ぜひゆったりとご堪能ください。

Information

名称
御座之湯

草津・四万

群馬県