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伊香保温泉「石段街」

群馬県を代表する温泉地として知られる伊香保温泉。その中心に位置するのが、温泉街の象徴ともいえる石段街です。石段街は、温泉旅館や飲食店、土産物店、遊戯場などが立ち並ぶ伊香保温泉のメインストリートであり、古くから多くの旅人を魅了してきました。湯けむりの立ち上る情緒豊かな風景とともに、歴史と文化、そして温泉街ならではの賑わいを感じることができる場所です。

現在の石段は全部で365段。石段を上りながら散策するだけでも、伊香保温泉の歴史や魅力を肌で感じることができます。階段の両側には、昔ながらの温泉旅館やお土産店、甘味処、カフェなどが並び、歩くたびに新しい発見があるのも魅力です。昼間は観光客で賑わい、夕方から夜にかけてはライトアップによる幻想的な雰囲気が広がり、昼とはまた違った表情を見せてくれます。

400年以上の歴史を持つ温泉街の中心

石段街の歴史は約400年前にさかのぼります。天正4年(1576年)、戦国時代の武将である武田勝頼の命により、真田昌幸がこの地の温泉を整備したことが始まりとされています。当時、温泉を効率的に利用するために湯元から温泉を引き、石段の中央には温泉を流す湯樋を設け、その左右に宿を整然と並べたといわれています。

このような整備は、日本における温泉都市計画の先駆けともいわれ、現在の温泉街の原型となりました。つまり石段街は、単なる観光スポットではなく、日本の温泉文化の歴史を物語る貴重な場所でもあるのです。

365段に込められた願い

現在の石段は、昭和55年(1980年)から約5年をかけて大規模な改修が行われ、美しい御影石の石段へと生まれ変わりました。そして2010年には北側に石段が延長され、段数は365段となりました。

この365という数字には、「温泉街が一年365日、いつでも賑わう場所であってほしい」という願いが込められています。その思いの通り、現在の石段街は年間を通して多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。

観光客の間では、自分の誕生日の段で写真を撮る「誕生日段フォト」も人気です。石段を上りながら誕生日の段を探すのも楽しみのひとつで、「一年365日幸せに過ごせますように」という願いを込めて写真を撮る人も多く見られます。

石段街に残る文学と歴史の足跡

伊香保温泉は、古くから多くの文人や芸術家に愛されてきた温泉地でもあります。石段街の途中には、歌人与謝野晶子の詩「伊香保の街」が石段に刻まれており、散策の途中でその詩を読むことができます。

この詩では、榛名山の斜面に広がる伊香保の街並みが、まるでローマ時代の野外劇場のように美しく広がる様子が表現されています。石段街を歩きながら詩を読むと、文学作品の世界に入り込んだような気持ちになるでしょう。

また、周辺には多くの句碑や歌碑が点在しており、文学の香りを感じながら散策を楽しむことができます。俳人や歌人たちがこの地で感じた風景や感動を想像しながら歩く時間は、伊香保ならではの贅沢な体験です。

石段街の見どころと楽しみ方

干支を探しながら散策

石段街には、十二支の印が刻まれた場所があります。これは江戸時代、温泉の引湯権を持つ「大家」と呼ばれる12軒の宿に、それぞれ干支が割り当てられていたことに由来しています。現在はその宿があった場所を示す印として石段に残されており、散策しながら自分の干支を探すのも楽しみのひとつです。

温泉情緒あふれる遊戯場

温泉街といえば、昔ながらの遊びも魅力のひとつです。石段街には射的場などの遊戯場があり、大人から子どもまで楽しむことができます。かつては数多くの射的場が並び、観光客の人気スポットでした。現在でもその雰囲気を残しており、レトロな温泉街の魅力を感じることができます。

足湯でひと休み

石段を上り続けると少し疲れてしまうかもしれません。そんなときは、途中にある足湯でひと休みしてみてはいかがでしょうか。足湯では伊香保温泉の名湯「黄金の湯」を気軽に楽しむことができ、歩き疲れた足をゆっくりと癒してくれます。

伊香保名物グルメを食べ歩き

石段街の魅力は観光だけではありません。温泉街ならではのグルメを楽しめるのも大きな魅力です。散策しながら食べ歩きを楽しむのも、石段街の定番の過ごし方です。

温泉まんじゅう発祥の地

日本全国の温泉地で見かける温泉まんじゅうですが、実はその発祥の地が伊香保温泉です。黒糖を使った茶色い皮は、温泉の湯の色をイメージして作られました。ふっくらとした皮の中には上品な甘さのこしあんが入っており、散策のお供にぴったりの一品です。

名物・石段玉こんにゃく

もうひとつの名物が、だしと醤油で煮込んだ玉こんにゃくです。湯気の立つ鍋から取り出した熱々のこんにゃくに、からしを少し付けて食べると、シンプルながら深い味わいが楽しめます。気軽に食べられる軽食として、多くの観光客に人気です。

カフェやスイーツも充実

近年はおしゃれなカフェも増えており、ソフトクリームやクレープ、パンケーキなどのスイーツも楽しめます。石段の途中で休憩しながら景色を眺めたり、写真を撮ったりするのもおすすめです。温泉街のレトロな雰囲気とモダンなカフェが融合した空間は、若い旅行者にも人気があります。

石段を上りきった先にある伊香保神社

365段の石段を上りきると、静かな森に囲まれた伊香保神社にたどり着きます。この神社は温泉と医療、商売繁盛の神様を祀る神社として知られ、古くから伊香保温泉を守る存在とされています。

縁結びや子宝、健康などのご利益があるとされ、参拝に訪れる観光客も多くいます。石段を登り切ったあとに神社で深呼吸をすると、澄んだ空気と静かな雰囲気に包まれ、心が落ち着くことでしょう。

歴史と温泉文化を感じる特別な散策

石段街は単なる観光スポットではなく、伊香保温泉の歴史と文化、そして人々の思いが詰まった場所です。古くは戦国時代から続く温泉街の歴史、多くの文人が愛した文学の香り、そして温泉グルメや遊びなど、さまざまな魅力が詰まっています。

ゆっくりと石段を上りながら、途中の店に立ち寄り、足湯で休憩し、歴史を感じる石碑や文学作品を楽しむ。そのような時間こそが、伊香保温泉でしか味わえない旅の醍醐味といえるでしょう。

もし伊香保温泉を訪れる機会があれば、ぜひ石段街をゆっくりと散策してみてください。そこには、何百年もの時を超えて受け継がれてきた温泉文化と、旅人を温かく迎える温泉街の魅力が広がっています。

Information

名称
伊香保温泉「石段街」

渋川・伊香保

群馬県