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宝川温泉

(たからがわ おんせん)

宝川温泉は、群馬県利根郡みなかみ町藤原に位置する、利根川最上流域の豊かな自然に抱かれた温泉地です。水上温泉郷からさらに北へ進み、藤原湖(藤原ダム)の北端から支流・宝川を約1kmさかのぼった渓谷沿いに佇む一軒宿の温泉として知られています。かつて「奥利根八湯」「水上八湯」の一つに数えられ、現在はみなかみ十八湯の一つとして、多くの温泉ファンに親しまれております。

歴史と伝説

白鷹伝説と開湯の由来

宝川温泉は、古くは「白鷹の湯」と呼ばれていました。その由来は、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東国遠征の折、病に伏した際に白い鷹に導かれてこの地の湯を発見し、湯に浸かることで快癒したという伝説にあります。以来、霊験あらたかな湯として語り継がれてきました。

湯治場から現在へ

現在のような宿泊施設が整えられたのは大正時代で、1923年(大正12年)創業の宝川温泉 汪泉閣(おうせんかく)がその中心となっています。創業当初は交通の便も悪く、秘湯の趣を色濃く残す湯治場でしたが、昭和20年代後半に周辺でダム建設が進められ、道路や電気が整備されたことで徐々に発展しました。

館内には、1936年(昭和11年)築の木造二階建て第一別館、1955年(昭和30年)完成の本館、1966年(昭和41年)築の東館など、時代ごとの建築美を感じさせる建物が残り、歴史の重みと山里の風情を今に伝えています。

泉質と豊富な湯量

泉質は弱アルカリ性単純温泉で、無色透明のやわらかな湯ざわりが特徴です。神経痛、筋肉痛、関節痛、冷え性、疲労回復などに効果があるとされ、身体を芯から温めてくれます。

現在は4本の源泉を有し、総湧出量は毎分約1,800リットルと非常に豊富です。これは日本有数の湧出量を誇り、源泉かけ流しで贅沢に使用されています。源泉温度は約40度から68度で、季節に応じて湯温を調整しながら最適な状態で提供されています。

渓谷に広がる大露天風呂

総面積470畳の圧巻のスケール

宝川温泉最大の魅力は、宝川の清流沿いに広がる4つの大露天風呂です。総面積は約470畳にも及び、国内屈指の広さを誇ります。

混浴露天風呂では、女性には専用の湯浴み着が貸し出され、安心して利用できる配慮がなされています。広大な湯船に身をゆだねながら、渓流のせせらぎと山々の景色を楽しむひとときは、まさに非日常の体験です。

四季折々の絶景

春は山桜と新緑、夏は深い緑と清涼な空気、秋は燃えるような紅葉、冬は雪見露天と、季節ごとに全く異なる表情を見せてくれます。特に雪景色の中で湯に浸かる体験は格別で、静寂に包まれた渓谷の美しさに心が洗われるようです。

客室と館内の魅力

客室は本館・東館・第一別館の三棟からなり、いずれも畳敷きの純和風。総ヒバ造りの本館では木の香りに包まれながら、宝川の流れを望むことができます。角部屋からの渓谷美は特に人気が高く、四季の移ろいを間近に感じられる特等席です。

宿泊者専用の内湯「殿湯」「姫湯」も備えられ、ゆったりと落ち着いた入浴も可能です。

山里の味覚を楽しむ

夕食には、山菜やきのこ、清流で育った川魚など、地元の旬の食材を活かした山里料理が並びます。春は山菜、秋はきのこ料理など、季節ごとの味覚が旅の楽しみを一層深めてくれます。静かな食事処で味わう郷土料理は、自然と調和した宝川温泉ならではの魅力です。

国内外から高い評価

宝川温泉は、昭和の温泉評論家による露天風呂番付で東の横綱に選ばれるなど高い評価を受けてきました。また、海外メディアにも取り上げられ、世界の温泉ランキングに選出されたことをきっかけに、外国人観光客からも注目を集めています。映画のロケ地としても使用され、その名は国内外に広まりました。

周辺の自然と観光

宝川は利根川上流の支流であり、周辺には宝泉峡と呼ばれる美しい渓谷も広がります。夏にはラフティングやキャニオニング、冬にはスキーなど、四季を通じてアウトドアアクティビティも充実しています。谷川岳ロープウェイや奥利根湖観光とあわせて訪れるのもおすすめです。

大自然に抱かれる特別なひととき

山深い渓谷に佇む一軒宿で、清流の音に耳を傾けながら源泉かけ流しの湯に浸かる時間は、日常の喧騒を忘れさせてくれる贅沢な体験です。歴史、伝説、自然、そして豊かな湯量に恵まれた宝川温泉で、心身ともに癒されるひとときをお過ごしください。

Information

名称
宝川温泉
(たからがわ おんせん)

みなかみ

群馬県