上牧温泉は、群馬県利根郡みなかみ町に位置する、静かで落ち着いた雰囲気が魅力の温泉地です。利根川の清流沿いに数軒の旅館が並び、にぎやかな温泉街とは一線を画した、のどかな湯治場の趣を今に伝えています。やわらかな湯ざわりと高い保湿力から「癒やしの湯」「化粧の湯」とも称され、多くの湯治客や登山客に親しまれてきました。
泉質はカルシウム・ナトリウム―硫酸塩・塩化物泉で、源泉温度は約42℃。非火山性温泉であり、谷川岳に降り積もった雨や雪解け水が長い年月をかけて地中へ浸透し、地熱で温められて湧き出すといわれています。保温・保湿効果に優れ、きりきずや皮膚病、動脈硬化症などに効能があるとされ、古くから湯治場として栄えてきました。その泉質の確かさから、奈女沢温泉とともに国民保養温泉地にも指定されています。
温泉街は利根川沿いに広がり、現在は温泉病院と5軒ほどの旅館が営業しています。歓楽的な施設はなく、自然に囲まれた静かな環境の中で、心身ともにゆったりと癒やされるのが特徴です。かつては日帰り入浴施設「風和の湯」も親しまれていましたが、現在は休館中となっています。それでも各旅館では丁寧なおもてなしと良質な温泉を楽しむことができ、登山や渓谷レジャーの拠点としても利用されています。
上牧温泉の開湯は1924年(大正13年)。その効能の高さから湯治場として発展してきました。放浪の画家として知られる山下清が逗留したことでも知られ、彼にゆかりの作品を展示する旅館もあります。みなかみ町の合併により誕生した「みなかみ十八湯」のひとつにも数えられ、地域を代表する温泉地の一角を担っています。
JR上越線「上牧駅」から徒歩約6分、上越新幹線「上毛高原駅」からはタクシーまたは路線バスで約10分と、交通の便にも恵まれています。関越自動車道「水上IC」からも近く、首都圏からのアクセスも良好です。大規模な観光地である水上温泉に近接しながらも、静寂と自然美を大切にした上牧温泉は、心からくつろぎたい方におすすめの温泉地です。