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猿ヶ京温泉

(さるがきょう おんせん)

猿ヶ京温泉は、群馬県利根郡みなかみ町(旧利根郡新治村)に位置する温泉地です。みなかみ町国民保養温泉地を構成する温泉の一つであり、豊かな自然に囲まれたこの地域は、温泉愛好者だけでなく、歴史や文化を感じたい人々にも人気があります。

泉質

猿ヶ京温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウム - 硫酸塩塩化物泉であり、源泉温度は42℃から58℃と幅広い温度帯を持ち、訪れる人々に心地よい温浴体験を提供しています。

温泉街の魅力

猿ヶ京温泉の温泉街は、ダム湖である赤谷湖のほとりに位置し、16軒のホテルや旅館が点在しています。それ以外にも多数の温泉民宿があり、これらを含めると約40軒の宿泊施設が存在します。温泉街には、日帰り入浴専用施設として「まんてん星の湯」があり、宿泊施設でも日帰り入浴を楽しめるところがいくつかあります。

観光スポット

温泉街には、猿ヶ京関所資料館民話と紙芝居の家三国路与謝野晶子紀行文学館など、歴史と文化を楽しめる観光スポットが点在しています。これらの施設では、地域の歴史や文化に触れることができ、温泉の魅力をより深く感じることができます。

猿ヶ京温泉の歴史

地名の由来と伝承

『加沢記』や『沼田記』によれば、永禄3年(1560年)に三国峠を越えて宮野城に入城した長尾景虎(後の上杉謙信)が、この地に一泊し、自身が申年生まれであったことから「猿ヶ京」と改めたと伝えられています。この伝承に基づいて「猿ヶ京」という地名が誕生したとされていますが、実際には永禄8年(1565年)頃の上杉輝虎の書状に「猿ヶ京」の地名が確認されています。

温泉の発展と移転

猿ヶ京温泉は、1956年(昭和31年)の相俣ダムの完成により現在の場所に移転しました。それ以前は、赤谷川沿いに湯島の湯と生井林の湯(笹の湯)という温泉がありました。湯島の湯は17世紀末の元禄年間に発見され、赤谷川の川底と中の島から湧き出る湯が、江戸時代には「湯島温泉」として知られていました。

江戸時代から明治時代の温泉利用

温泉利用の記録として、安永5年(1776年)に猿ヶ京など4村の住民が湯小屋を作りたいと願い出たことが記されています。しかし、江戸時代には猿ヶ京に関所があったため、村人以外にはほとんど知られていない温泉でした。関所が廃止された後も、温泉は広く利用されることはありませんでした。

近代の発展と相俣ダムの影響

その後、温泉の利用が徐々に広まり、1890年(明治23年)頃には、湯島河原から湯を引く工事が完成し、村有の温泉として生井温泉と呼ばれるようになりました。しかし、大正時代になると、相生橋の建設により生井温泉の利用者は減少し、温泉の権利が個人所有に移りました。1958年、相俣ダムの建設に伴い、温泉が現在の猿ヶ京温泉として新たに生まれ変わりました。

温泉地の現代化

1955年(昭和30年)には4軒の宿が共同で源泉を利用するようになり、1958年に「猿ヶ京温泉」と名付けられました。ダムの建設により元の温泉地が水没した温泉としては、他にも日中温泉や鶴の湯温泉などがありました。

地域団体商標の登録

2022年、猿ヶ京温泉旅館協同組合により「猿ヶ京温泉」が地域団体商標として登録されました。これにより、猿ヶ京温泉のブランド価値がさらに高まり、地域の魅力を全国に発信するための大きな一歩となりました。

猿ヶ京温泉の未来

猿ヶ京温泉は、その豊かな自然と歴史的背景から、多くの観光客に愛され続けています。地域団体商標の登録により、今後ますます温泉地としての魅力を高めていくことが期待されます。また、観光地としての魅力をさらに高めるため、地域全体での取り組みが重要です。

Information

名称
猿ヶ京温泉
(さるがきょう おんせん)

みなかみ

群馬県