昔から皮膚病や外傷に効く温泉として知られる、周囲を山々に囲まれた温泉地です。
東に日光連山、西に谷川岳、南に赤城・榛名山、北に武尊山が囲み、その山あいを流れる利根川の支流・片品川の渓谷に面します。片品川に沿った斜面には旅館やホテルが建ち並んでいます。
「脚気川場に瘡老神」といわれ、昔からおできや腫れ物に効き目があると湯治客で賑わっていました。
この地は利根川の支流である片品渓谷や吹割の滝など、自然の豊かさが魅力とされ、尾瀬観光の拠点としてにぎわっています。
老神温泉では毎年5月上旬には伝説に因んだ名物の大蛇まつりが開催され、巨大な蛇神輿が温泉街を練り歩きます。また、6月には色鮮やかなポピーが楽しめる「老神温泉ポピー祭り」や、ホタル観賞、8月には「風のまつり(老神温泉花火大会)」などのイベントも楽しむことができます。季節ごとに自然の美しさが楽しめ、特に紅葉の渓谷は絶景です。
また、多くの旅館では露天風呂を楽しむこともできます。
老神温泉の名物として、4月から11月中旬にかけて朝市が開かれます。この朝市は関東一とも言われ、浴衣姿の宿泊客がお土産を求める光景も見られる温泉街の風物詩です。地元の野菜や山菜、自家製の漬物や味噌などがずらりと並び、素朴な土地の味や人々の笑顔、山の幸との触れ合いを楽しむことができます。
開湯伝説
湯の歴史は古く、老神温泉には、神々の戦いによる次のような開湯伝説が伝えられています。
かつて、上野国 赤城山の神が大蛇(ヘビ)に、下野国 二荒山の神は大百足(ムカデ)に化身し、神域をかけて戦場ヶ原で激しく争いました。
あるとき、赤城山の神は矢傷を負い、何とか赤城山の麓まで逃げました。傷ついた赤城山の神が矢を抜き、地面に突き刺すと不思議なことに湯が沸きだし、この温泉に傷を浸すとたちまち矢傷が癒え赤城山の神が二荒山の神を追い返したといわれています。
神を追い返したことから、追い神が転じて老神となったといわれています。
老神温泉では、老神の湯を開湯した赤城山の神に感謝し、毎年5月に「大蛇まつり」が行われています。
温泉郷の朝市
この地方では4月中旬から11月中旬まで、午前6時から名物の朝市が開かれます。この朝市では、利根町の農家の人々が山で採った山菜や自家の畑のなりもの、その漬物、味噌、植木、盆栽、民芸品など、さまざまな品物が多くの店で売られています。
人気は「おやき」といって、小麦粉の粉の生地に、季節に応じてふきのとう味噌、ネギ味噌などを包み、鉄鍋で焦がしてから囲炉裏の灰にくべて焼いたものです。
JR上越新幹線・上毛高原駅より路線バス(関越交通)で約70分間
JR上越線・沼田駅より路線バス(関越交通)で約50分間
沼田ICから車で25分