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茂林寺

(もりんじ)

分福茶釜で知られる名刹

茂林寺は、群馬県館林市堀工町にある曹洞宗の寺院で、山号は青竜山(せいりゅうざん)、本尊は釈迦牟尼仏です。全国的には、昔話として広く知られる「分福茶釜(ぶんぶくちゃがま)」の伝説ゆかりの寺として有名であり、多くの観光客や参拝者が訪れる館林を代表する観光名所の一つとなっています。

静かな自然に囲まれた境内は落ち着いた雰囲気に包まれており、山門をくぐると可愛らしい狸の像が参拝者を迎えてくれます。歴史ある建造物や巨木、伝説の茶釜、そして数多くの狸の像が並ぶ独特の景観は、訪れる人々に深い印象を与えています。

茂林寺の歴史

茂林寺の創建は室町時代中期の応永33年(1426年)と伝えられています。開山は美濃国土岐氏の出身とされる大林正通禅師で、各地を巡りながら仏法を広めていた正通禅師が上野国に至り、この地に庵を結んだことが始まりとされています。

その後、応仁2年(1468年)には青柳城主の赤井正光が深く帰依し、寺領およそ八万坪を寄進して堂宇を整備しました。こうして茂林寺は地域の信仰を集める寺院として発展していきました。

さらに江戸時代には、寛永19年(1642年)に三代将軍徳川家光より朱印地二十三石四斗余を与えられ、寺院としての地位を確立したと伝えられています。

分福茶釜の伝説

茂林寺を語るうえで欠かすことのできないのが、全国的に有名な「分福茶釜」の伝説です。この物語には、昔話として語られる「ぶんぶく茶釜」と、寺に伝わる「分福茶釜伝説」という二つの説話があります。

寺に伝わる伝説によれば、応永年間のころ、茂林寺には守鶴(しゅかく)という僧が住んでいました。守鶴は不思議な茶釜を使って人々にお茶を振る舞っていましたが、その釜はどれほど湯を汲んでも尽きることがないという不思議な力を持っていました。

守鶴はこの茶釜を「紫金銅分福茶釜」と名付け、福を分け与える縁起の良い釜として大切にしていました。しかしある日、僧たちが守鶴の昼寝をのぞいたところ、彼の体から狸の尾が生えているのを見てしまいます。

実は守鶴の正体は長い年月を生きた狸であり、遠い昔にインドで釈迦の説法を聞き、中国を経て日本に渡ってきたとされる不思議な存在でした。正体が知られた守鶴は寺を去る決意をし、別れの日に幻術を使って人々に源平合戦の屋島の戦いや釈迦の入滅の様子を見せたと伝えられています。

この不思議な伝説が後に昔話として広まり、今日よく知られている「ぶんぶく茶釜」の物語の元になったとされています。

境内の見どころ

総門(黒門)

茂林寺の入り口に建つ総門は「黒門」とも呼ばれ、応仁2年(1468年)に建立された歴史ある門です。落ち着いた雰囲気を持つこの門をくぐると、静かな寺院の空気を感じることができます。

狸が並ぶ参道

総門から山門へ続く参道には、信楽焼で作られた21体の狸像が並び、参拝者を温かく迎えてくれます。季節によって装いが変わることもあり、訪れるたびに異なる表情を楽しめる人気の撮影スポットです。

山門(赤門)

参道の先に建つ朱塗りの山門は「赤門」と呼ばれ、元禄7年(1694年)に建立されたものです。鮮やかな色彩が境内の景観に美しく映え、寺の象徴的な建築となっています。

本堂

茂林寺の中心となる本堂は、応仁2年に建立された歴史ある建物で、その後享保12年に改築され現在の姿となりました。本堂には本尊の釈迦牟尼仏が祀られています。

また、本堂北側の部屋には、伝説の分福茶釜が大切に安置されており、拝観者は実際にその姿を見ることができます。

分福茶釜

茂林寺に伝わる分福茶釜は紫金銅製で、容量は一斗二升(約21リットル)と非常に大きなものです。周囲は約1.2メートル、重量は約11キログラムほどあり、口径は約24センチメートルとされています。

もともとの蓋は失われており、現在は新たに作られた蓋が使われています。この茶釜は昔話のモデルとなった貴重な文化財として、多くの人々の関心を集めています。

ラカンマキとシダレザクラ

本堂前には樹齢約600年とされるラカンマキの巨木が立っており、群馬県の天然記念物に指定されています。また、春には美しいシダレザクラが咲き誇り、境内を華やかに彩ります。

守鶴堂

境内には、分福茶釜をもたらしたとされる守鶴和尚を祀る守鶴堂があります。守鶴は寺の守護神として信仰されており、現在も多くの参拝者が手を合わせています。

狸コレクション

茂林寺には「狸コレクション」と呼ばれる展示があり、日本各地から集められた狸に関する資料や剥製、民芸品などが展示されています。昔話や民間信仰の中で親しまれてきた狸文化を知ることができる、ユニークな展示として人気があります。

狸桜祭

毎年4月には「狸桜祭」という行事が開催されます。この祭りでは、薩摩琵琶の演奏や講談、舞踊などの催しが行われ、境内は賑やかな雰囲気に包まれます。さらに先着100名には餅が振る舞われるなど、地域の人々や観光客に親しまれている春のイベントです。

隣接する茂林寺公園

茂林寺の北側には茂林寺公園が広がっています。この公園は茂林寺沼や低地湿原を中心とした自然豊かな場所で、館林市の「里沼」の一つとして知られています。

湿原植物や野鳥が多く見られることから自然観察の場としても人気があり、季節ごとにさまざまな景色を楽しむことができます。また、公園内には可愛らしい狸のオブジェが点在し、散策をより楽しいものにしてくれます。

アクセス

茂林寺へのアクセスは比較的便利で、東武伊勢崎線「茂林寺前駅」から徒歩約10分ほどで到着します。また車の場合は東北自動車道館林ICから約15分ほどの距離にあり、駐車場も整備されています。

館林を代表する観光名所

分福茶釜の伝説とともに長い歴史を刻んできた茂林寺は、館林市を代表する観光スポットとして多くの人々に親しまれています。歴史ある建物や伝説の茶釜、愛らしい狸の像、そして自然豊かな公園など、見どころが豊富にそろっています。

昔話の世界を感じながら静かな寺院を歩くひとときは、訪れる人々に心安らぐ時間を与えてくれるでしょう。館林を訪れた際には、ぜひ足を運びたい名所の一つです。

Information

名称
茂林寺
(もりんじ)
リンク
公式サイト
住所
群馬県館林市堀工町1570
電話番号
0276-72-1514
営業時間

9:00~16:00

定休日

火曜・水曜・木曜

料金

境内参拝自由

宝物拝観料
大人 300円
子ども 150円

駐車場
無料
アクセス

東武伊勢崎線「茂林寺」駅りおよそ徒歩10分

東北自動車道「館林」ICよりおよそ15分

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